事業・技術紹介

椎谷岬トンネル

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新潟県中越沖地震の災害復旧

2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震により、一般国道352号の新潟県柏崎市椎谷地区において斜面の大規模崩壊が発生し、道路が通行不能になりました。この為、当社において、迂回路となる『椎谷岬トンネル』の詳細設計を行いました。


中越沖地震の概要

発生日時 2007年7月16日
午前10時13分頃
震源地 新潟県上中越沖(新潟市の南西60km付近の深さ約17km)
地震規模 マグニチュード6.8
震度 〈震度6強〉長岡市・柏崎市・刈羽村・長野県飯綱町〈震度6弱〉上越市・小千谷市・出雲崎町
人的被害 死者15名、重軽傷者2,316名
住家被害 全壊1,324棟、大規模半壊857棟半壊4,821棟、一部損壊35,228棟
※2008年5月7日15:00現在

 


「災害復旧事業」は、住民の皆さんが一日も早く安全・安心な生活を取り戻せるよう、緊急の対応が要求されます。『椎谷岬トンネル』の詳細設計では、発注者である新潟県柏崎地域振興局はもちろん、地質調査会社、施工会社とも連携を密に図りながら、迅速な設計を進めてまいりました。また、本トンネルは、技術的にも、地形・地質、周辺環境等において多くの課題を抱えており、これらを解決しながら安全かつ合理的な施工法・対策工を提案しました。

  1. 起点側坑口部:トンネルが既設擁壁の直下を通過する。 トンネル完成後、トンネル上部に付け替え道路を設置する。
  2. 終点側坑口部:雪崩対策・土砂崩壊を考慮した構造が必要である。偏土圧地形であり、崖錐堆積物が存在する。トンネル底盤部が強風化のため改善が必要である。
  3. 周辺環境:民家が近く、騒音・振動対策が重要である。仮設ヤードの確保が難しく、狭所での仮設備計画が必要。

トンネル工事状況

新潟側坑口

新潟側坑口

柏崎側坑口

柏崎側坑口

完成後

新潟側坑口

新潟側坑口

柏崎側坑口

柏崎側坑口

所在地

新潟県柏崎市

発注機関

新潟県柏崎地域振興局

空中電磁法による地質調査

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3次元比抵抗調査

(NETIS登録番号:KK-000014-V)

空中探査システムイメージ_03

空中電磁法は、地下の比抵抗分布を3次元的に測定・解釈することによって地下の地質状況を判定するものであり、広範な地域やアクセスが困難な山岳地域などにおける地質調査、地すべり調査、各種路線計画などに有効な調査技術です。

トピックス
「空中電磁法による地質調査」がNETIS平成26年度 推奨技術に選定されました

平成26年5月1日に国土交通省大臣官房技術調査課より、「空中電磁法による地質調査」について公共工事等における新技術活用システム(略称;NETIS)平成26年度 推奨技術選定の通知を受けました。

(以下、NETIS新技術情報提供システムHPより)
■ 20140425有用な新技術一覧(p20-381)

NETISとは
国土交通省は、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)を整備しました。NETISは、国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用されるデータベースシステムです。

推奨技術とは
国土交通省本省の新技術活用システム検討会議は、画期的な新技術に対する適正な評価を行い、公共工事等に関する技術の水準を一層高めるため、画期的な新技術を対象に「推奨技術」として選定し、当該新技術の普及啓発や活用促進等を行います。選定された技術は、『○○年度 推奨技術(新技術活用システム検討会議(国土交通省))』という名称を使用できます。

選考条件

  • 従来に比べ飛躍的な改善効果が発揮されること
  • 従来にはない先駆的な取組みであり、将来、公共工事等における幅広い活用が期待されること
  • 技術内容が画期的であり、将来的に飛躍的な活用効果の改善が期待できること
  • 技術内容が独創的である等、国際的に先端を行く技術又は先進諸国への技術展開が期待されること
  • 技術内容の応用性、適用性、普遍性等が高く、国内の諸課題の解決への貢献に加えて、国際的な課題の解決など国際貢献に大きく資すること

 

測定飛行を動画形式でご覧いただけます。

道路ルート選定調査

不良地盤帯を避け、最適ルート選定によるコスト縮減!

道路事業の初期段階である予備設計や概略設計時に、不良地盤の分布を確認できれば、これを避けて良質地盤上に道路ルートが選定できるため、道路の建設工事・維持管理コストを縮減できます。また、問題点が絞り込めれば効率的な調査が実施できます。広域の地質調査に適した総合空中物理探査法は、道路ルート選定調査に大きな威力を発揮します。

 

道路ルート選定の調査事例

道路事業計画地には、不良地盤(粘土化変質帯)の存在が懸念され、本探査法が実施されました。その結果、不良地盤は低比抵抗領域(暖色部)として特定でき、Aルート上に広範囲に分布することが判明しました。このため、良質地盤を通過するBルートが選定されました。広域の地質状況が確認できる本探査法を事業の初期段階に導入することで、調査の効率化とトータルの調査費用の節減ばかりでなく、道路の建設工事及び維持管理におけるコストを縮減できました。

 

 

地すべり調査

地すべりの位置・規模の把握による、効率的な対策工の立案でコスト縮減!

地すべりの調査では、斜面内部の情報を確認することが重要です。斜面内部の不安定要因を把握できれば効率的な調査・対策工が可能になります。総合空中物理探査法は、このような調査に大きな威力を発揮します。特に、粘性土地すべりに対して極めて有効で、潜在的に不安定な斜面の抽出ができ、斜面管理に有益な地盤情報を提供します。

 

地すべりの調査事例(秋田県:澄川地すべり)

広範囲に熱水変質(温泉)による粘土化が認められる澄川地すべりとその周辺地域は、低比抵抗(10Ω-m以下)を示し、不安定斜面であると予想されました。その後、A、Bの斜面でも地すべりが発生し、本探査法による不安定斜面抽出の妥当性が証明されました。また、比抵抗解析から想定された澄川地すべりのすべり面の深度は、ボーリング結果と良く対応したものとなり、地すべり地における斜面内部の調査手法として、本探査法の有効性が示されました。

 

 

 

道路防災調査

地質データベースに活用し、効率的な構造物の維持管理

道路の維持管理は、構造物の変状調査とともに周辺の地盤性状を加味した地質データベースを用いることで効率的に実施できます。路線全域の不良地盤を抽出し、地質データベースとしての活用が期待される調査手法として、総合空中物理探査法が非常に有効です。

 

道路防災の調査事例

泥流堆積物及び凝灰岩は、低比抵抗領域(暖色部)に対比されます。比抵抗から判断して、いずれも粘土化が著しく、地すべりを起こしやすい不安定な斜面であると予想されます。実際、国道沿いの低比抵抗領域では多くの変状が報告されています。
断面図は、湯殿山スキー場において融雪期に発生した地すべりの比抵抗解析例です。比抵抗解析で得られた地すべりの厚さ、移動土塊と不動岩盤の性状の違いは、ボーリング結果と良く対応したものとなり、本探査法の妥当性が証明されました。

 

 

ダム地質調査

ダムサイト及び貯水池周辺の地質状況把握による全体計画の効率化

総合空中物理探査法は、広範囲にわたる高精度の地質調査を迅速かつ低コストで実施できるため、調査対象が広範なダム地質調査に適しています。ダム建設関連全域の地質状況を視覚的に捉え、ダム軸はもとより貯水池周辺の地すべり調査、原石山の評価や付替道路の選定調査に大きな威力を発揮します。

 

ダム計画地での調査事例

河床沿いに低比抵抗領域が、左右岸には高比抵抗領域が分布しています。これは、ボーリング等で確認された地盤性状と良く対応したものとなっています。このことから本探査法は、地盤性状の確認に適しているといえます。

骨材の正確な賦存量を確認する原石山の調査には、高い精度が望まれます。地形の影響を大きく受ける地上電気探査では、その結果に偽像が出現するなど、地盤性状を正確に把握することは困難です(上画像・下)。しかしながら、本探査法では地形の影響を受けず、かつ3次元的に地盤性状を正確に確認できるため、有力な調査手法といえます。

 

地下水汚染調査

産業廃棄物不法投棄サイト等の地下水分布から汚染区域を特定

地下水汚染対策は、汚染物質の特定とともにその汚染範囲を明確にすることが必要です。電解質を多量に伴う汚染現場の場合、3次元的な汚染範囲の特定には比抵抗異常を探知する総合空中物理探査法が、大きな威力を発揮します。

 

不法投棄サイトでの調査事例

産業廃棄物不法投棄サイトにて実施した本事例では、産業廃棄物自体が低比抵抗異常を示し、かつ汚染地下水を反映した比抵抗分布が広がっています。断面位置付近の低比抵抗領域(赤色部)は、推測されていた不法投棄サイトに対応します。汚染範囲は、比抵抗データから予想以上の広範囲におよんでいることが推定されました。
廃棄物自体の比抵抗はその含有物によって必ずしも低比抵抗を示さないものもありますが、汚染水は低比抵抗を示すため、正確にその分布範囲を特定することができます。

斜め写真による詳細図化解析

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主にヘリコプターを利用した斜め空中写真図化と調査設計への高度化解析適用技術(NETIS登録番号:KT-010222-A)


ヘリコプターを利用した斜め写真図化技術

従来、急峻で危険な岩盤斜面などの詳細測量は、ロッククライミングなどの作業を併用した平板測量や縦断測量が行われていました。この危険な急峻地での作業を伴う従来工法は、作業環境・条件が極めて悪く、結果として測点数も少なく精度の低いデータしか得られなかったのが実状です。

斜め写真による詳細図化技術は、低空飛行(対地高度150m~500m)が可能なヘリコプターの特性を活かして、これまで固定翼(セスナ)による空中写真図化では対応不可能であった崖面などを斜め空中写真撮影することにより、これを精度の高い詳細な地形形状データとし図化(縮尺1/200~1/500:50cmコンタまで可能)することが可能になりました。

本技術は、地形形状を3次元の数値データ化するため、平面図の他に立面(正面)図や縦横断図を自在に表現でき、多角的視点からの解析や、後続作業に有効活用することができます。

調査・設計時の高度化解析への適用

当社は、総合建設コンサルタントとしての専門かつ総合的な技術力を駆使することで、本技術で得られた図化データを用いて、岩盤斜面の安定度の評価・解析や、立ち入りが困難な建造物などの健全度評価及び対策工検討のための調査・設計などへの一連の解析作業を一体的に実施します。また、本技術はお客様の要望・アイディア等により、様々なシチュエーションで有効的に活用可能な技術なため、どんなことでもお気軽にご相談ください。


斜め写真


亀裂分布図


地質想定図


対策工案


対策事例

より安全に、より安く、より精度よく・・・

適応場所

  • 本技術の適用が最も効果的な斜面は、平均勾配50°以上の急崖斜面です。
  • オーバーハングにも対応します。
  • 落石が多発したり、割れ目の発達した危険斜面の調査に最適です。
  • 災害のあった崩壊地斜面に対して、迅速な対応が求められる場合に最適です。
  • 人の立ち入りが困難な歴史的建造物等の詳細調査にも有効な技術です。

安全

  • 現場作業は主に空中からの撮影のみで、現地には最小限の立ち入りとなるため、事故等に対する安全性が向上します。
  • 特に、災害地の調査は二次災害のリスクを最小限にします。

廉価

  • 1ha/約400万円で詳細図化が行えます。
  • 図化面積が1haより広範囲に及ぶ場合は、ヘリによる撮影費は殆ど増加しません。
  • 従来技術(ロッククライミング等の作業を併用した平板測量や縦横断測量)に対して、50%程度の工期短縮が見込めます。
  • 本手法で得られる詳細地形図は、詳細調査や詳細設計にそのまま活用できるため、従来、測量後に発生する設計時の後手続き作業を一体的に迅速に実施することができます。

高精度

  • 低空飛行(対地高度100~500m)が可能なヘリコプターの特性を活かして、縮尺1/200~1/500(50cmコンタまで可能)の作図を行います。
  • これまで固定翼(セスナ)による空中写真図化では崖面などの作図はできません。
  • ラジコンヘリコプターはカメラが通常65mmと航空カメラに比較して精度が低く、かつ撮影面積が小さいため、大きい斜面調査には適しません。また、飛行高度を高くすると制御不能になることがあり確実性に劣ります。

老朽化建造物の調査・対策検討例

明治末期に建造された総煉瓦造構造物(高さ約18m、下部直径約5m)について、現況の形状・健全度などを評価し、文化財的価値を活かした保存修復工法の検討を行いました。

 

斜め写真の撮影

斜め写真の撮影

3次元解析

3次元解析

建造物の周囲を全方位(360°)から撮影することで、曲線で構成される建造物の形状や煉瓦の詳細な状況、劣化範囲の分布が確認できました。また、3次元FEM解析にて地震時の安定解析を行い、保存修復工検討に利用しました。

正面図を利用した変状図の作成

正面図を利用した変状図の作成

建造物に分布する変状を把握するため、4方向・S=1/25で変状図を作成し、健全度を評価しました。

垂直及び水平断面図の作成

内部測量を併用

垂直断面図:45°ピッチ(8断面)

水平断面図:形状変化部毎に作成

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