気仙沼大島大橋

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平成29年度 土木学会田中賞(作品部門)受賞


気仙沼大島大橋は、宮城県気仙沼市の離島・大島と本土を結ぶ鋼中路式アーチ橋です。当社は路線検討、橋梁予備設計、及び橋梁詳細設計を担当いたしました。

東日本大震災によって「命の道」となる大島架橋の必要性が再認識され、有識者による大島架橋設計検討委員会において、要求性能として以下の2項目を設定し、災害に強く耐久性と維持管理に優れる橋梁の建設を目標としました。

・台風や地震、津波などの自然災害に対して、緊急輸送路としての機能を満足し、100年を超える期間十分な強度をもって耐える橋梁
・建設コストや維持管理コストを考慮したライフサイクルコストがミニマムとなる構造の選定と施策の構築を行う


維持管理を見直す橋梁設計

橋梁設計は、耐久性や経済性を考慮するのはもちろんのこと、上記の要求性能を満たすため、設計初期段階から維持管理に配慮した設計を行いました。

気仙沼大島大橋の設計にあたり、事前に維持管理に関する具体的な設計項目を洗い出し、設計のどの段階で維持管理について考慮した検討が必要か、そして、どの段階で再チェックするかを明確にしました。こうした維持管理の有効性を橋梁形式の比較や断面決定に至る各段階において評価することにより、その後の各橋梁部材においても点検経路や点検手法・主要な部材の補修や交換の方法までも考慮した設計を行うことができます。

また、点検や維持管理の作業に必要な内空を確保した部材寸法や部材の配置、点検が困難な個所の防食仕様などについても、要求性能を満たすための検討を行っています。

当社は、大島架橋事業を通じて実施した維持管理設計の手法を今後の構造物の計画や設計に取り入れていきたいと考えています。


大島瀬戸を跨ぐ橋梁形式

橋梁形式は、急峻な地形条件下において架設の各種制約条件を満たす鋼中路アーチ橋を採用しました。

気仙沼大島大橋が架かる大島瀬戸は水深が深いため、杭・橋脚を設けない鋼中路アーチ橋とすることで建設コストの削減となり、また、津波の影響を受けにくい橋梁形式が選択できました。

雄大なアーチで大島瀬戸をひとまたぎするその姿は地域の風景にしっかりと馴染み始めたようです。

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架橋工事の進捗状況

架橋工事は2014年から進められており、中央径間の鋼アーチ部分は気仙沼港の朝日埠頭において地組立が行われ、2017年3月29日に起重機船(3000t級フローティングクレーン船)によって中央径間アーチ部が架設されました。

アーチ部架設後、気仙沼大島大橋は水道管などのライフラインの添架工事を予定しており、平成30年度の完成を目指して現在も工事が進められています。鹿折地区と南気仙沼地区のまちづくり震災復興事業や気仙沼湾を横断する三陸沿岸道路の工事も行われており、これらの事業が完成すると社会基盤が整い、大島にお住いの皆様の生活向上、復興の加速、そして観光や地域振興への相乗効果も期待されています。

 

 

架橋位置 宮城県気仙沼市三ノ浜〜磯草地内
事業者 宮城県
橋長 356.000m
アーチ支間長 L=297m
アーチライズ 54.0m
支間長 24.7m+40.5m+224.0m+40.5m+24.7m
幅員構成 9.5m(2.50m+3.50m+3.50m)
構造形式 鋼中路式アーチ橋