市木川魚道

市木川魚道_上流側

都市河川における住民との協働

かつて水車が回り、洗濯、水浴に大切に使われていた市木川は、昭和47年の災害により改修され、今の姿になりました。急速な都市化による水質悪化を下水・浄化施設で改善した上で、街のシンボルである市木川を子や孫に「ふるさと」として残したいという思いから市木川美化ボランティアの会が設立されました。愛知県では、この会の意見を取り入れ、既設落差工の上に石組みの魚道を設置しました。

市木川魚道_下流側

河岸の岩陰を表現する土佐積み

市木川_土佐積み自然の河岸は、洪水の力により岩盤の下側がえぐられて、所々に空隙の有る岩陰が出来ます。これを魚道の側岸に再現するため、崩れ積みの一種である土佐積みを採用しました。この積み方は、石材がオーバーハングしたようになる高知県独特の構築様式であるため、高知県から石工職人さんを現場に招き、実現することができました。

魚道下流の河床の侵食・堆積作用による蛇行および産卵場の創出

市木川_蛇行の様子

市木川魚道カワヨシノボリ本魚道を設計する際、魚道下流の淵の部分で洗掘された土砂を、魚道より下流の左岸側に堆積させる事により砂州を形成し、低水路を蛇行させ・瀬と淵をつくることを目指しました。侵食される位置および土砂がたまる位置が予想と異なりましたが、蛇行は発生していますので、今後の経過が期待できます。また、蛇行で生じた瀬の部分にカワヨシノボリの産卵場が新たに生じました。

アユの遡上調査と魚類の生息状況調査

市木川_調査_上流プール魚道の効果を調べるため、最上流部のプールの上流側に定置網を設置し、上ってくる魚類を捕まえました。その結果、魚道の対象魚であるアユは確認できなかったものの、オイカワやカワムツの幼魚やカワヨシノボリ等の底生魚や回遊性の水生生物であるモクズガニが実際に魚道を上っている事が分かりました。また、潜水観察により、魚道内にオイカワ、カワムツ等が生息している事を確認しました。

市木川_調査の様子

生態学的な維持管理手法の提案

市木川_維持管理手法の提案市木川の魚道では、魚道本体で瀬と淵、岩陰等を直接形成するとともに、侵食・堆積作用を活用して、その周辺に生物の生育・生息空間を創出することを目指しています。当社では、河川の美化活動を行うボランティア団体に対して、生態学的な内容に配慮した維持管理計画(案)を提供し、継続的にモニタリングを行う予定です。