事業・技術紹介

籠川多自然魚道

籠川

既設落差工を活かした石組みの魚道

愛知県豊田市を流れる籠川では、既設の落差工により、治水・利水の効果は上がっていましたが、落差が1.4m程度もあるため、魚の移動が難しくなっていました。そこで、既設の落差工の構造物はそのままに、その上に石を組んで落差を(1段当たり30cm以下に)分割する事により、魚が移動できるようにしました。

 魚道は、落差を分割する部分(魚道の本体)で瀬の機能、最下流部に水を集めて淵の機能を持たせる構造とし、移動出来るだけでなく、そこに生息環境をつくる事を目指しました。籠川_特徴

籠川_特徴2

 

侵食・堆積作用による水際・下流河床の環境の創出

川が緩やかに左にカーブしているため、洪水時に水が当たる右岸側の河岸には根固工を施工し、直接的に急勾配の水際をつくりました。逆に、洪水時に緩流域となって土砂がたまる左岸側は、緩傾斜の水際が形成されました。同じく、洪水の水の力により最下流部の淵で洗掘された土砂がその下流にふわっと堆積する事により、カワヨシノボリ等の礫間を利用する魚類の生息環境が創出されました。

籠川_水際・下流河床の環境の創出

 

魚道の形状による土砂排出機能

本魚道では、魚道内部を滑らかな形状とした事により、洪水時には、その水の力によってそのプールに溜まった土砂が巻き上げられて、流下していく様子が見られます。施工後約10年が経過しているにもかかわらず、これまでに土砂で閉塞して機能不全に陥ったことはありません。

籠川_土砂排出機能

 

遡上調査&魚類の生息状況調査

魚道の効果を調べるため、各プール列の上流側に定置網を設置しました。その結果、対象魚のアユをはじめ、オイカワやカワムツの幼魚やカワヨシノボリ等の底生魚が実際に魚道を上っている事が分かりました。また、潜水観察により、魚道内にアユ、オイカワ等が生息している事を確認しました。

籠川_遡上調査&魚類の生息状況調査

オイカワ カワムツ タモロコ カマツカ
アユ カワヨシノボリ モクズガニ

魚介類調査協力:有限会社 河川生物研究所

所 在 地

愛知県豊田市四郷町

発 注 機 関

愛知県豊田加茂建設事務所

 

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