事業・技術紹介

調布鶴川陸橋

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上写真:工事後 2003年4月撮影

都市内の立体交差化事業  ~スピードに挑戦する~

鶴川街道は、東京都西部にある多摩地域を南北に結ぶ主要な幹線道路ですが、調布市の住宅地において京王電鉄と平面交差していました。そのため、この踏切では慢性的な交通渋滞が発生し、朝夕のラッシュ時には踏切遮断時間は最大34分/時間、渋滞延長は最大400mにもなっていました。当時の鶴川街道は、2車線から4車線への拡幅整備中であり、事業用地が概ね確保され、工事に一部着手している状況でした。また、この時点では京王電鉄の地下化は10年程度を要すると予測されていました。

工事前2002年6月当時 旧甲州街道から調布第5踏切を望む

工事前2002年6月当時
旧甲州街道から調布第5踏切を望む

旧甲州街道(北側)から望む

旧甲州街道(北側)から望む

走行アニメーション

走行アニメーション

 東京都は、事業用地を活用して現況交通を確保しながら、短期間に踏切渋滞の解消を図る「踏切すいすい事業」の一環として、京王電鉄を跨ぐ仮設道路橋「調布鶴川陸橋」の建設を決定し、当社が設計を担当いたしました。2001年単年度で事業計画、道路・橋梁予備設計及び詳細設計を完了させ、橋梁詳細設計の途中段階から工場製作に着手し、合計約2年という驚異的なスピードで2003年3月末に供用が開始されました。わずか10ヶ月で跨線橋を建設したことは、地元でも話題となり、渋滞により自動車のアイドリング・発進が繰り返され排気ガスと騒音に悩まされていた住民の方からは、「調布鶴川陸橋」供用後は、「何十年ぶりに小鳥の鳴き声が聞こえた。朝の空気もおいしい。」というお話をいただきました。

新聞紙上や技術雑誌等で数多く公表された東京都の「踏切すいすい事業」は、当社の提案が随所で取り上げられました。具体的には、短期間に地域住民や警察等との対外協議を実施するため、CG(走行アニメーション、フォトモンタージュ等)を活用し、できるだけ詳細に視覚化して意思疎通を図り、合意形成に至ったことです。他、工事の上・下部工一括発注方式を提案し、事業全体の工期短縮を図ったこと、さらに、工場製品を多用し、現場での工事期間・作業の最小化とともに、工事(建設および撤去)に伴う2次渋滞や騒音等の住環境に配慮した施工計画等を立案したことです。

この「調布鶴川陸橋」の事業を契機に、当社の技術提案は、形を変えて大手施工会社に取り入れられ、急速施工に関わる多くの技術開発につながりました。なお、現在は京王電鉄の地下化が終了し、本仮設道路橋は2014年度に撤去されています。

所 在 地

東京都調布市

発 注 機 関

東京都北多摩南部建設事務所

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