亀山サンシャインパーク公園


三重県亀山市に位置する「亀山サンシャインパーク」は、東名阪自動車道の亀山パーキングエリアと都市公園が一体となったハイウェイオアシスです。全体面積約14.2haの広大な敷地には、高塚池を中心に周囲を丘にかこまれ、シンボリックな大型遊具、水辺を散策できるウッドデッキ、BBQ施設などがあり、地域住民のみならず、遠方からの来訪者も多く、水と緑が織り成す総合公園として愛されています。

平成15年の開園から10年以上が経過し、公園利用者の変化するニーズへの対応や、木製大型遊具とウッドデッキの老朽化が課題となっていました。当社は、公園全体のゾーニングやテーマなどの再検証を行い、公園施設整備方針の策定及び遊具などの実施設計を行いました。

亀山サンシャインパークの高塚池

高塚池を中心に広がる亀山サンシャインパーク


公園の利用状態を可視化する

既存の木製大型遊具の老朽化対策として、遊具を建て替えることとなりましたが、時代の要請に合った安全性の確保はもちろん、これまでの利用者が抱く愛着を引き継ぎながら、子どもからお年寄りまで、様々な世代が楽しめる公園施設としてのリニューアルが必須条件と考えました。

開園後変化した地域住民・高速道路利用者の多様なニーズの把握・分析として、公園利用者へのヒアリング調査に先立ち、指定管理者や当該公園でフィールドワークを行っていた大阪商業大学の横見ゼミナールといった関係者への事前ヒアリングを行い、これまでの利用状況やニーズの変化、管理上の課題なども把握することで、利用者と管理者など様々な目線からの意見を反映できるようにしました。

また、芝生広場や森林、池の周辺を散策できる特色あるエリアの多様性や回遊性の高さに着目し、利用者の散策経路や時間帯など、公園での一日の過ごし方などもヒアリングすることで、本公園の特性となるゾーニングや散策路の見直しの検討材料としました。

 

調査の結果から、地域住民による日常的な健康増進を目的としたウォーキングや子ども達の遊び場としての利用のほか、キャンプやBBQなど、レクリエーションを目的とした遠方からの来訪者が多いことがわかりました。また、既存の木製大型遊具は『木のお城』と呼ばれ、子どもたちは元気に身体を動かして楽しめるほか、遊具の上からは公園全体を見渡せるほど眺めがよく、大人もデートコースとして利用しているなど、大人も子どもも楽しめる施設として親しまれていました。

人気が集中し混雑して安全性に問題がある遊具やエリアがある一方で、利用者の立ち寄りが乏しいエリアがありました。この原因として、ベンチなどの休憩スペースが設置されていなかった他、周囲が鬱蒼とした森林であったため、立ち寄り難い印象であることなどがあげられました。このような課題・弱点を強みに変え、魅力・強みをさらに向上させることを目的に、調査結果の内容を分析したうえで方針の見直しを行いました。


丁寧なニーズ把握に基づく計画策定・設計の実施

これからも公園利用者の良い思い出を末永く引き継ぐためには、これまでのイメージを保持するとともに、景観、安全性・耐候性・耐久性などに配慮しつつ、多様なニーズにマッチするよう、リニューアル整備計画を策定しました。特に公園のシンボル的な存在であった木製大型遊具は、メンテナンス性・耐久性の観点から鋼製に変更しつつ、『木のお城』と呼ばれていたシンボル性や見晴らしの良さなどを引き継ぐように配慮しました。また、調査・分析で得られた利用者のニーズに対応するため、クライミングなどのニュースポーツ遊具や、池に飛び込むような体験ができるローラー滑り台を新たに採用しました。

また、四季折々の景色の変化が感じられるなど、公園の新たな楽しみ方を提案することを念頭に置いて設計を行い、平成29年12月23日にリニューアルされた大型遊具が供用されました。