防災・減災DX -先進的道路都市整備計画システム-

 

 

図1 防災・減災DXの概念
AIを使って地域の災害リスクを総合的に評価し、道路整備のリスクとコストを最小化するとともに、効果の最大化を図る。

 

 

■AIと防災の観点を取り入れ、管理エリア全体の整備優先度を総合的に評価

 

限られた予算の中で運用する道路整備の最適解を見出すのは難しく、地元の市民が納得する根拠を示し合意形成することもなかなか容易ではありません。また、多くの道路整備の策定には防災・減災の観点が不足しており、災害時の道路機能確保が不十分になりがちです。

そこで当社では、管理エリア全体を対象とした面的ネットワークでの整備優先度を評価できる事業最適化システム「防止・減災DX」を開発しています。

重要拠点間のつながりや、道路寸断箇所・迂回経路の予測、地域の魅力・活力への配慮など、平常時と災害時両方の観点に, AIを取り入れて総合的に優先度を評価できるのは当社ならではのもの。そこには、災害時の被害予測の精度向上に関する当社独自の個別要素技術が活かされています。

このシステムによって予算・期間・能力に応じた最適な予算化による効率的な運用が可能になると同時に、時々刻々と変化する進捗状況を整備事業計画に逐次反映し、年度ごとの計画見直しも可能。効率的、効果的に地域の防災能力も向上させることができるようになります。

 

■災害に強い街づくりのために、投資効果が最大限発揮できる整備計画を提案

 

巨大台風や局地的な豪雨による風水害、地震による構造物の機能不全や斜面の崩壊、津波・高潮による浸水被害など、私たちが暮らす街には様々な自然災害のリスクが潜んでいます。災害に強い街づくりとは、地域を結ぶ道路ネットワークを災害時にも有効に機能させることです。

しかし、これまでの多くの防災対策は点や線としての整備にとどまり、面的なネットワークの機能には充分な対応ができていませんでした。災害時に道路ネットワークを確保するには、様々な災害を想定し、複合的に対策を行う「面的な整備」が必要です。

また、道路の整備事業には、観光・医療・福祉サービス向上など、平常時にも地域の豊かな暮らしを支えるための投資であることが望まれます。平常時と災害時、様々な要因や制約条件のなか、投資に見合う効果が求められています。

どのような順序で整備を進めるのがベストか。その最適解を見出すのは簡単ではありません。例えば災害時に幹線道路が寸断された場合は、平常時では優先度が低い迂回路の優先度が高くなります。

当社では投資効果の最適化を実現するための手法を開発。早期に災害のリスクを最小化し、投資効果の最大化の実現を目指しています。

例えば、地域を特定のエリアに区分し、拠点間の移動時間を平常時と災害時でシミュレーション。過去の災害情報や道路情報を蓄積させたAIにより、整備条件の変化や膨大な移動パターンを瞬時に計算し、最適な整備優先度と施工の組み合わせを決定します。

平常時と災害時のシミュレーションや、路線・区間数、拠点数、災害対策の種類と費用・時間、出先事務所の予算や人員など、膨大で複雑な条件の中から最適解を導き出します。

当社の「防災・減災DX」により、投資効果が最大限発揮できる整備計画をご提案いたします。

■ポイント

① 道路の重要度を総合的にランキングし、事業化の優先度を確定
② 自治体の管理エリア全体を対象にした「面的」評価を実施
③ 平常時と災害時をシミュレーションし、総合的に評価
④ 同時要素技術の活用により、高精度での道路寸断箇所予測
⑤ AIを取り入れた評価技術と独自の要素技術をミックスした総合評価を実施
⑥ 整備計画の住民への具体的な説明が可能に
⑦ 地域の防災能力が向上

 

図2 道路整備の優先度を評価するシステム概要
平常時と災害時、両方の観点で総合的に優先度を評価し、道路整備の最適化を図る。

 

 

 

図3 優先度評価結果

ハザードを考慮しない場合と防災の観点を加えてハザードを考慮した場合の優先度ランキングの違い(左上)。防災の観点による優先度ランキング。左から応急救助計画、医療救護計画、物資配送計画(左下)。実際に起きた過去の災害データとの整合性を検証し精度を向上(右)。

図4 事業計画と進捗予測
制約条件を考慮した当社の動的計画法による事業計画の例。最適化の根拠を明確にでき、かつ計画後の条件(予算や工事進捗)の動的な変化に対して逐次最適化が可能なため、迅速な計画の見直しが可能。

 

 


(お問い合わせ先)

インフラ技術研究所 技術開発部 防災構造事業室

TEL:048-615-2223 e-mail:infra-eng-kanbu@ne-con.co.jp