2016年5月30日
RC床版(図-1)は、その損傷が架け替え理由の上位に位置する1)など、橋梁の長寿命化において重要な部材です。近年、RC床版においては、疲労に加え、低温環境(塩害、凍害)や材料の問題(アルカリ骨材反応)による上面の損傷(写真-1)が顕在化してきており、長寿命化の鍵を握る部材として注目を集めています。
しかし、RC床版の上面は、舗装に覆われていることから目視点検が困難で、損傷が舗装上から視認できるころには、床版の損傷が重篤になっていることがあります。そのため、網羅的かつ経済的な非破壊検査技術が求められていました。
このようなニーズに対して、当社インフラ技術研究所とニチレキ株式会社道路エンジニアリング部は、技術提携を行い、車載型電磁波レーダ装置を用いた床版上面の非破壊検査技術(通称:床版キャッチャー)を開発し、技術向上の取り組みとして、実物大供試体を用いた実験的検討(写真-2~5)を行ないました2)。
当社とニチレキ株式会社は、RC床版の大修繕時代に向け、着々と技術力を蓄えています。
1)橋梁の架替に関する調査結果(Ⅳ) 国総研資料 第444号
2)H28年度土木学会 第71回年次学術講演会 投稿済み