大日本コンサルタント株式会社

開発

開発

開発 K.T.

九州工業大学大学院 工学研究科設計生産工学専攻 1994年修了
東京橋梁2年→橋梁耐震に関する研究(建設省土木研究所出向)2年→橋梁全般の計画・設計・耐震補強設計4年→橋梁構造物の耐震性能評価に関する研究(九州工業大学社会人博士課程)3年→地震津波防災・特殊構造技術等(研究開発含む)11.5年→現在に至る

開発 K.T.

九州工業大学大学院 工学研究科設計生産工学専攻 1994年修了
東京橋梁2年→橋梁耐震に関する研究(建設省土木研究所出向)2年→橋梁全般の計画・設計・耐震補強設計4年→橋梁構造物の耐震性能評価に関する研究(九州工業大学社会人博士課程)3年→地震津波防災・特殊構造技術等(研究開発含む)11.5年→現在に至る

巨大災害(MEGADISASTER)の脅威に立ち向かうため、
高度な解析技術とアイデアを駆使して
地震・津波防災・減災技術に挑戦しています。

 

当社に入社した動機
~建設コンサルタントで技術開発の本能を活かして楽しみたい~

学生時代、釣りを主としたレジャー産業の研究所へ就職を希望し、そこで新製品を開発してヒット商品を生み出したいと考えていたところ、大学の研究室の指導教官から、「趣味は趣味にしときなさい、せっかく土木(当時は耐風(橋梁))」をやってきたのだから・・・」と諭され、土木(橋)も好きだったので建設コンサルタント会社を受験しました。当時の大阪支社長が大学に勧誘に来られ、出来の悪い私でも何とかなりそうな企業風土が気に入り、迷いはありませんでした。

技術者たる原動力
~土木研究所に交流研究員として出向した経験を活かして~

入社1年目の1995年1月に阪神大震災が発生、それまでの日本の耐震神話は崩壊し、その後道路橋示方書等の耐震基準が大改定となりました。直後に当時の建設省土木研究所の耐震研究室に出向が決まり、今思えばそれが技術者人生の大きなきっかけで、今日の技術者たる原動力になっていると思います。ただ、当時は若く、専門知識や経験も浅かったため必死でしたが、その後も20年間、土木研究所と交流を続け、今でも多くの方との良好な関係が続いています。これを機に、私の耐震分野の専門家としてのキャリア形成がスタートし、帰社後も橋梁構造・耐震・地震津波防災関係の実業務と並行して研究開発を継続しています。

例えば、これまで大規模地震が起きるたびに国内外の現地被害調査に20回近く足を運び、被害分析(新たな発見)を通して耐震設計や耐津波設計に関する新技術・新工法や新たな設計法を開発し、多数の論文発表や特許、表彰、学位も取得させて頂きました。中でも、本州四国連絡橋の長大吊橋や高速道路の長大鋼アーチ橋に代表される特殊橋梁の耐震補強設計、土木学会の技術賞を頂いた「制震技術による長大斜張橋の合理的耐震補強(東神戸大橋)」、「耐震性能グレードを考慮したハーバーハイウェイ長大橋部の耐震補強事業」は試行錯誤の末の自信作です。既設橋という厳しい制約条件の中、新しいアイデアと工法を考え、発注者、大学、施工業者、メーカーとタイアップして、性能確認実験と最先端の解析技術で検証し、実務レベルのモデル化を検討して実橋で施工し、世の中に広く知って頂く目的で論文発表して、種々の最先端技術を駆使した代表作品です。また、社外の耐震関連の基準策定や研究委員会活動にも主体的に参画・活動し、新たな事象の解明やより効率的な評価手法や工法を世の中に提供して評価されることが、私の土木技術者ポリシーであり、自分に課せられた使命とやりがいと信じています。

技術力向上の秘訣、必要性
~まずは一つの専門分野を極めること~

例えば、橋梁の設計を例にとると、まずは実務経験で一通りの上下部・基礎工、橋梁形式、予備・詳細設計を経験したのち、一つの専門分野を決めてそれを極めること(自分の強みを作る)。次に、それを軸に他分野にチャレンジ、応用して見識を広げることが技術力向上の秘訣であり、技術者としてより社会貢献するために必要なことと考えています。

私の場合は新設橋梁、既設橋梁の補強、補修設計の中で、耐震設計技術を専門として、それを強みに、さらに平成23年からは地震・津波防災技術の研究開発や実施設計にチャレンジしています。

会社や研究所の、そして個人の目標・夢
~一日も早い防災・減災技術整備の進捗を目指して~

1995年1月17日の兵庫県南部地震以降も各地で大規模地震が頻発して、不測の事態が度々起こっており、日本は地震の活動期に入っていると考えられます。また、地震のみならず、その他気象変動等に伴う想定を超える自然災害に対しても対策は万全とは考えにくく、今後も「防災・減災技術」の重要性を再認識させられています。特に、平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、巨大津波が来襲し、また、平成28年4月14日以降に相次いで発生した熊本地震では、断層変位や斜面崩壊に伴う橋梁被害が発生したことから、これまで設計で想定していない超過地震外力や地盤変状、津波外力等に対しても、危機耐性を考慮した設計技術力(レジリエンス技術)が必要となります。

このような中、我が社の強みであるサークル的チームワーク、スーパーエキスパートをはじめとするプロフェッショナル人材の育成プログラム(社外活動や社会人博士課程、プロジェクト参画等の機会創出)等をさらに充実させ、今後も若手技術者のやりたい気持ちを大事にして具現化していきます。そして、若手技術者とともに更なる専門技術を磨き、例えば、スパコン京を用いた最先端解析技術やCIM、ICT等の情報技術、異種業種との連携、新規領域分野にも挑戦し、多くの社内外の仲間を作ってチームでスパイラルアップしながら、来る災害危機に備えて一日も早い防災・減災整備の進捗を目指してより良い技術と成果を世の中に残していきたいと考えています。

台湾との技術交流会の様子(写真①)

当社は台湾大学、台湾国家地震工学研究センター(NCREE)、台湾世曦工程顧問股份有限公司(CECI社(建設コンサルタント)、九州大学、他 関係者と毎年橋梁ワークショップを行って学術的技術交流を深めています。ワークショップでは、日本と台湾における最新の橋梁建設技術、耐震補強技術、維持管理技術等に関する研究や事例紹介、また直前に発生した熊本地震関連の被害報告が行われ、活発な議論とより深い技術交流を行うことができました。また、テクニカルツアーや懇親会を通じて、更なる交流と連携強化を確認しました。今後の台湾のプロジェクトにも積極的に参画することを計画しています。

ドイツから来日した構造技術者、学生さんとの技術交流会の様子(写真②)

今年9月、ドイツのハーフェンシティ大学、ブランデンブルク工科大学から構造技術を専門とする教授と大勢の学生さんたちが当社を訪問され技術交流会を開催しました。橋梁、景観デザイン、津波防災等の専門技術について、プレゼン、意見交換を行い、和やかな交流と楽しく有意義な時間を共有することができました。

大阪支社の新入社員と飲みニケーションの様子(写真③)

新入社員はとても元気で、そのパワフルさに圧倒されました。若者たちの型に捉われない柔軟な発想はオジさんにはない魅力です。本当に楽しく有意義な時間を共有できました。

PHOTOS


  • 写真①台湾との技術交流会

  • 写真②ドイツ人との交流会1

  • 写真②ドイツ人との交流会2

  • 写真③新入社員との交流会