大日本コンサルタント株式会社

国土保全

国土保全

国土保全事業部長 出口 明男

他社で橋梁の計画・設計を7年経験後、1993年に大日本コンサルタント入社。東京支社に配属され橋梁の計画・設計を担当。1997年、宇都宮事務所立上げと同時に宇都宮事務所へ異動。橋梁の計画・設計に加え、補修補強設計も担当。2005年、東京支社へ異動後、橋梁保全系の業務を中心に担当。東日本大震災直後、港湾計画室の立上げと同時に港湾計画室へ異動し、活動の中心を国土保全分野に置き、2019年に品質管理を担当する技術監理部へ。2020年から現職。

国土保全事業部長 出口 明男

他社で橋梁の計画・設計を7年経験後、1993年に大日本コンサルタント入社。東京支社に配属され橋梁の計画・設計を担当。1997年、宇都宮事務所立上げと同時に宇都宮事務所へ異動。橋梁の計画・設計に加え、補修補強設計も担当。2005年、東京支社へ異動後、橋梁保全系の業務を中心に担当。東日本大震災直後、港湾計画室の立上げと同時に港湾計画室へ異動し、活動の中心を国土保全分野に置き、2019年に品質管理を担当する技術監理部へ。2020年から現職。

地域の人々の暮らしを守る国土保全部を目指して

私にとっての自然災害と災害復旧業務

思い起こせば、昭和40年代、東京都足立区の自宅周辺は度々床下浸水していました。私の記憶では、これが最初の自然災害の経験でした。当時、子供だった私には、自然災害との認識もないまま近所のお兄ちゃんたちとイカダをつくり遊んでいたことを思いだします。その後、浸水の頻度は少なくなり、昭和50年代に入ると、殆ど浸水の記憶はありません。今、考えると河川や都市施設の整備を陰で支えてくれた方々のおかげだと思っています。

社会人になりテレビを通じ目の当たりにした阪神淡路大震災では、随所で橋が落ち、高架橋が横倒しになるなど、土木技術者として信じられない光景が広がっていました。これ以降、自然災害に対する意識が大きく変わりました。

仕事として自然災害と向き合ったのは、宇都宮事務所に勤務していた時です。道路管理者から「大雨で橋が流された!」との一報を受け、現場へ駆けつけると、橋の半分が流され跡形もありませんでした。現地調査の後、1週間で復旧設計を終えました。多くの災害復旧業務の経験の中で印象に残っているのは、金精道路で生じた雪崩災害です。雪崩で道路がふさがり通行止めです。再度災害を避けるため、緊急で迂回路を設け、本復旧としてスノーシェッドを設計しました。

災害復旧業務は短時間で被災原因を明確にして再度災害に留意しながら復旧設計を行うため、苦労が伴います。しかし、発注者と一体感は通常業務の比ではありません。自らの経験を活かし発注者と意見を交わし、復旧の形を図化して行きます。緊張が続く中での設計ですが、充実感を味わうことができます。特に、工事を終え、発注者や地元の方々からの感謝の声を耳にしたときには苦労もなくなり「やって良かった。」と地域への貢献を十分に感じることができます。

国土保全部の業務と技術者の育成

国土保全部は、①河川分野、②砂防分野、③地盤分野を統合した上で、④トンネル分野、⑤港湾分野、⑥都市施設分野が次々に合流して出来た当社の中では比較的新しい組織です。

近年の気候変動に伴う「梅雨前線、台風、秋雨前線」の大型化。ゲリラ豪雨や線状降水帯による集中豪雨。河川堤防の越水、決壊、家屋の浸水。土砂崩れ、土石流などによる土砂災害。津波、高潮などによる浸水被害。近年の水害は過去の経験をはるかに超える規模で、毎年のように我が国各地で発生しています。また、一生のうち一度経験するかしないかの大規模地震に関しても、記憶が新しいうちに次々と発生しています。

我が国土保全部ではこのような自然災害から地域住民の生命・財産を守り、豊かで安らぎと安心のある生活空間を創造する技術サービスを提供しています。その一方で、社員教育として、ますます激甚化する自然災害に対応しなければならいことから、上記6分野の専門性を生かしながら、複合的・総合的な国土保全を検討できるT型人間の育成を目指しています。加えて、地盤分野では、土木における新たな技術「空中電磁探査法」を国土保全分野における有効な調査手法と位置付けています。例えば、地下水の流れを可視化することにより、地すべり解析やトンネル設計、道路防災への利用を図るほか、砂防分野における深層崩壊や火山砂防での活用が期待されており、新たな教育分野としても取り組んでいます。

目指す組織と新技術への挑戦

国土保全部は新しい組織であるため、他の部に比べ社員数は1/3程度と小さな組織です。小さいからこそ「社員全員の顔が見える交流」が可能で、強みです。経験の浅い若い技術者が多くいることが特徴で、社員一人ひとりの成長が組織の成長につながると考えています。だからこそ「悩んでいる人、困っている人」がいれば、上司や先輩は支援を惜しみません。チームが一体となって考える組織、全員が連携できる組織・体制を目指しています。

また、空中電磁探査法など、各部署が新しい技術へ積極的に挑戦することが特徴です。最近、国土保全部でマルチコプターを購入しました。若手社員は自分の担当する現場に持ち込み、自ら操縦して空撮を行っています。これを武器に発注者への新たな技術提案や情報提供など、積極的に技術営業を行っており、成長が楽しみです。

行動力のある技術者を目指して

私の夢は、前任者と同様に全国の支社に国土保全部を展開することです。各地で発生した自然災害に対しては、発生した地区の国土保全部が中心となっていち早く現場に駆けつけ災害支援を行うことにより、地元の人々の暮らしを守ることで、頼られる組織となることを目標にしています。

このため、国土保全部の技術者には地域への貢献を第一に考えられる行動力のある技術者を目指してほしいと願っています。

 

PHOTOS


  • 金精道路で生じた雪崩災害

  • 完成したスノーシェッド

  • UAVを操縦する社員

  • 国土保全部社員旅行