能越自動車道

能越自動車道概要

能越自動車道は、石川県輪島市から富山県砺波市に至る総延長約117kmの高規格幹線道路(自動車専用道路)です。小矢部砺波JCTより北陸自動車道・東海北陸自動車道と接続し、能登半島と全国とのアクセス時間の短縮により、産業の振興・発展や観光圏域の拡大など、沿線地域に活力をもたらす道路として期待されています。平成27年2月28日には、一部区間である七尾氷見道路(延長28.1km)が全線開通となり、北陸新幹線開業との相乗効果もあいまって、産業の振興や観光の魅力あふれる富山県西部地域や石川県能登半島地域がより身近になりました。

当社は、昭和 59 年(1984 年)から今日に至る約35 年間にわたり、能越自動車道全事業区間における調査・設計等の業務に携わっています。業務の遂行にあたり、国土交通省北陸地方整備局様をはじめ、多くの関係者様にご指導及びご協力をいただきましたことに心より感謝申し上げます。

能越自動車道概要図

能越自動車道概要図


地域のニーズに応える道づくり

能越自動車道の基本構造や用地を決定する道路設計等が平成元年より本格化しました。当社は、高岡砺波道路(高岡北 IC〜小矢部砺波 JCT間:延長18.2km)の基本設計として、道路概略設計及び都市計画決定資料作成と、守山・国吉地区の用地幅杭を決定する道路予備設計及びインターチェンジ設計に携わりました。

高岡砺波道路は、良好な圃場地を通過する土工を主体とした区間となります。このため、特に沿線の用途利用や地域住民の生活環境保全に留意して検討・設計を行いました。また、地元説明会や関係機関協議では、計画・設計の合意をいただくために、解り易い資料の作成に努め、発注者様に同行して多くの対話を重ねました。昭和 63 年の事業化後、約 16 年の時を経て、高岡砺波道路が全線開通しました。

高岡砺波道路 高岡北IC

高岡砺波道路 高岡北IC


総合技術力を活かした道づくり

能越自動車道において最大延長の事業区間を誇る七尾氷見道路(七尾IC ~氷見IC 間:延長28.1km)の調査・設計に携わりました。急峻な地形、脆弱な地質、国指定史跡等を通過する当該区間は、当社が保有する技術の総力を挙げての対応となりました。

氷見第15トンネルの起点側坑口では、崖錐堆積物からなる地すべりブロックが確認されたことから、切土法面の安定化対策が必要でした。当社はグランドアンカー工、鋼管抑止杭、水抜きボーリング工を併用する法面対策工の提案と詳細設計を行いました。(中波(氷見第15)トンネル詳細設計は当社で担当)

七尾市の城山丘陵地通過区間では、国指定史跡である七尾城址を保全するために道路整備による影響を最小限に抑える必要がありました。当社は、当該区間の石川県側最大規模の山岳橋梁構造を適用する道路構造の検討を行いました。(城山高架橋詳細設計その2工区(8径間連続PC箱桁)は当社で担当)

工事最終工区となる氷見市中波地区(県境付近)では、工期短縮を図る施工計画立案、切土補強・軟弱地盤対策及び工事用道路等の詳細設計を行いました。

発注者様をはじめ、本事業区間に携わった関係者の皆様の熱意と協力により、目標とする北陸新幹線開業(平成27年3月)に間に合わせて開通しました。


歓喜に満ちた道づくり

平成27年2月28日、七尾氷見道路が全線開通し、富山県と石川県が規格の高い道路によって結ばれ、地域の安全・安心に貢献しています。また、県外利用者からは、「運転が楽になった」「七尾まで早く着くようになった」「今度は能登まで行ってみたい」等の声が寄せられ観光・産業振興等に寄与しています。

昭和59年の業務着手から約32年となりますが、今後も「街と街、人と人を結ぶ 能登を周遊できる 人に優しい、優れたみち」能越自動車道の全線開通を目指して、プロジェクトに参画していきたいと思います。

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七尾氷見道路開通式